先日日本からベトナムに入国し、ドンナイ省の隔離施設Ma Da Guest Houseで7日間過ごしましたのでご紹介します。
ドンナイ省の隔離施設について検索しても詳しく紹介しているブログはないので、これからベトナムに入国してこの施設で隔離生活を送る予定の方々の参考になればと思います。
ベトナムへの入国状況(条件)
ワクチン接種者は入国72時間前以内のPCR検査陰性証明書で7日間の隔離が必要です。
ワクチン接種自体は入国する際の要件にはなっていないようです。
基本的には所属する(訪問する)企業の所在地で隔離します。
追加の申請・承認で企業の所在地以外の省や市での隔離も可能です。
例えば会社がドンナイ省にあれば、通常はドンナイ省で隔離しますが、ホーチミン市に申請を出して許可が下りればホーチミン市内のホテルで隔離することも可能です。
ただし、許可が下りるまでに更に1か月ほど時間がかかります。
この情報は2021年11月時点での情報です。
ベトナムへの入国条件はベトナム政府の指示により変わることがありますので、最新の情報を在ベトナム日本国大使館のホームページなどで確認してください。
ドンナイ省の隔離施設Ma Da Guest Houseの紹介
それではドンナイ省の入国者隔離施設Ma Da Guest Houseをご紹介します。
私は2021年11月にこちらで7日間の隔離生活を経験しました。
Ma Da Guest Houseの良いところ、悪いところ、一日の流れ、日本から持参していってよかったものなどをご紹介します。
Ma Da Guest House の場所
住所:ĐT767, Ma Đd, Vinh Cuu, Đong Nai, Vietnam
ホーチミンのタンソンニャット国際空港から車で約1時間40分かかります。
周囲を湖に囲まれた緑豊かな場所にあります。
到着・チェックイン
到着すると荷物に消毒液をかけられます。
受付でパスポートを渡して部屋のカギを受け取ります。
受付の人はパスポートにも消毒液をかけていました・・・
日本からの到着便は夜なので、チェックインするときは日付が変わる頃(深夜)になると思います。
深夜にもかかわらず、スタッフの方が部屋の案内と荷物運びの手伝いをしてくださいました。
写真の左側のカウンターが受付です。
部屋の配置は以下のような感じです。
1階に12室、2回にも12室合計24室あります。
館内の様子はこんな感じです。
緑が多く、日中は小鳥のさえずりも聞こえてきました。
犬を飼っているようで、ときどき吠えてうるさいことがありました。
滞在する部屋の紹介
皆さんが気になる部屋の様子をご紹介します。
部屋はワンルームでダブルベッド、デスク、ローテーブルとイスのセット、クローゼット、冷蔵庫、扇風機、エアコンが主な設備です。
ベッドはダブルサイズで、広くてゆったりです。
固めのマットレスに薄い掛け布団が一枚と枕が一つです。
クローゼットは大きく差は十分で、ハンガーも結構な数ありました。
ローテーブルとイスは使う機会はあまりないかもしれませんが、リゾートっぽい雰囲気をかもし出しています。
パソコン作業ができる机とイスもあります。
イスはクッションがないのでお尻が痛くなります。
私は低反発素材が使われているノートパソコンケースにバスタオルをたたんで入れて即席の座布団を作ってお尻を守りました。
冷蔵庫は大きさ十分で、冷凍庫もついています。
製氷皿はついていないので氷が必要な場合は製氷皿を持参することをおすすめします。
電子ケトルもありますのでコーヒーやお茶、カップラーメンを持参して楽しむこともできます。
扇風機もエアコンもあるので暑さにやられることはないと思います。
バスルームには洗面台とシャワーとトイレがあります。
バスタブはありませんが、給湯器がついており、温かいシャワーを浴びることができます。
床が区別されておらず、シャワーカーテンもないので、シャワーを浴びると当然床も便座もびしょびしょになりますので工夫が必要です。
手で持つタイプのウォシュレットもついていますが、水圧が結構強いですし、間違いなく水が飛び散るので私は使ったことがありません。
一日の流れ
それでは隔離生活の一日の流れをご紹介します。
到着は深夜になりますので、到着した日はシャワーを浴びて寝るだけです。
私が滞在した際の一日の基本的な流れは下記のとおりです。(時間は目安です)
朝ごはん | 7:00頃 基本はフォーなどの麺類とインスタントコーヒー |
タオル交換 | 8:00頃 スタッフが使用済みタオルと交換で新しいタオルを支給 |
洗濯物回収 | 8:30頃 スタッフが玄関外に置かれた洗濯物入れから衣類を回収 |
昼ごはん | 11:00頃 基本はご飯とスープとおかず3種のベトナム料理のお弁当 |
夜ごはん | 18:00頃 お昼ごはんと同様のお弁当 |
食事
基本的には朝昼晩とベトナム料理です。
ベトナム料理とは言ってもレストランで食べるような料理ではなく、いわゆる家庭料理です。
残念ながら生春巻きは出てきません。
朝はフォーなどの麺類、昼夜はご飯とおかずとスープの定食系お弁当です。
朝食の例です。
鶏肉のフォーとインスタントコーヒーとクリーム入りのスポンジケーキ
ビーフシチュースープのブン(麺)と甘い豆乳とインスタントコーヒー
自分で作るベトナムサンドイッチ「バインミー」
昼食・夕食の例です。
ゆで豚、魚の唐揚、ゆで青菜、ごはん、トマトの酸っぱいスープ、りんご、甘い豆乳
アヒル肉のしょうが煮、魚の唐揚、ゆでキャベツ、むらさきいものスープ、ごはん、みかん、ココナッツジュース
豚の角煮、きくらげとひき肉の蒸し物、ゆで空心菜、根菜のスープ、ごはん、竜眼(ライチに似たフルーツ)、コカ・コーラ
どの食事も素朴でシンプルな味付けですが、スープは温かいまま出てきますし、ボリュームも満点です。
口に合うか心配な方はカップ麺やインスタント味噌汁、ふりかけなどを持参することをおすすめします。
洗濯物
洗濯物は毎朝回収され、翌日夕方くらいにかえってきます。
洗濯物は部屋の外に設置されたかごに入れておくと回収してくれます。
各洗濯物の料金は以下の通りです。
シャツ | 1枚40,000ドン(約200円) |
ズボン | 1枚40,000ドン(約200円) |
下着 | 1枚20,000ドン(約100円) |
くつ下 | 1足20,000ドン(約100円) |
タオル | 1枚20,000ドン(約100円) |
タオルやシーツの交換
フェイスタオルとバスタオルは毎朝8時から9時の間にスタッフが回収・交換してくれます。
7日間の滞在中にシーツ交換はありませんでした。
室内の掃除
私の場合は滞在4日目に部屋の掃除が入りました。
バスルームと居室をモップで拭くという簡単なものでした。
バスルームと居室を同じモップで拭くというのはちょっと抵抗がありましたが、床に直に寝転ぶわけではないですから、あまり気にしないようにしました。
部屋の掃除中は部屋から出て待っていることもできます。
太陽の光を浴び、外の空気を吸えるのでいい気分転換になると思います。
念のため貴重品(財布やスマホ、時計など)は身につけておきましょう。
PCR検査
到着翌日または翌々日に1回目、隔離が終了する前日に1回、合計2回のPCR検査があります。
2回とも朝6時過ぎに来て、寝ているところを起こされました。
ドアをノックされますので、マスクをして部屋の外に出てください。
白い防護服を着た人(たぶん病院の看護師や保健当局の職員だと思います)がいます。
部屋の前の椅子に座るよう指示されるので座ります。
リストから自分の名前を探せと言われる(あるいはジェスチャー)ので指さして教えます。
そうすると自分の名前がペンで書かれた試験管のような容器を見せられ、そこに書かれた名前の確認をさせられます。
あとはマスクから鼻だけを出して両鼻の穴をグリグリされて終わりです。
検査結果は翌日には出ているはずですが、陰性の場合は特に知らされません。
快適に過ごすためのおすすめグッズ5選
Ma Da Guest Houseで快適に過ごすために持参すべきおすすめのグッズを5つご紹介します。
もし荷物に余裕があったら是非準備してください。
真空断熱タンブラー
真空断熱タンブラーを持っていくことをお勧めします。
ベトナムは暑いです。氷が入った飲み物もあっという間にとけてぬるくなってしまします。
この真空断熱タンブラーは冷たいものはずっと冷たく、温かいものはずっと温かく保ってくれます。
夜寝る前に氷が入った飲み物を残したことがありましたが、朝起きても氷が少し残っていました。
この真空断熱タンブラーは結露しないので机も手も濡れません。
大事な書類や電子機器をうっかり濡らしてしまうこともありません。
私も今回初めて真空断熱タンブラーを使用しましたが、なんで今まで使わなかったんだろうと後悔しています。
今では自宅でも愛用しています。
おすすめはサーモスのタンブラーです。
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製氷皿
製氷皿があると隔離生活がワンランク上がります。
おなかを壊す原因になりますので、氷は水道の水では作らないでください。
必ずミネラルウォーターで作りましょう。
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サンダル
安全と衛生のためサンダルを持参しましょう。
バスルーム用と居室用に2つあると完璧です。
バスルームは日本人の感覚からすると裸足で歩きたくないような造りと衛生状態です。
濡れた床を歩きますので、底がツルツルのサンダルは避けてください。
バスルームの床はツルツルではないですが、シャンプーやせっけんの泡などで滑りやすくなりがちです。
滑りやすい床なので注意が必要です。
おすすめは「ギョサン」です。
このサンダルはもともと漁師の間で愛用されていたもので、丈夫で滑りにくく、今ではダイバーやサーファーなど多くの愛用者がいます。
女性向けにカラフルでラメ入りのものもあります。
私は写真のメンズの黒のLサイズを愛用しています。
詳しくはギョサンの製造元である丸中工業所のホームページをご覧ください。
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折りたたみバケツ
自分で洗濯するつもりの方は折り畳み式のバケツを持参しましょう。
ホテルに有料で洗濯物を出すことができますが、洗剤のにおいが強いので、強いにおいが苦手な方は自分で洗濯した方が無難です。
私も洗剤のきついにおいが苦手なので、日本から持参した洗剤で手洗いしました。
手洗いする際に「ため洗いとためすすぎ」ができるとしっかり洗えますのでおすすめです。
こちらはダイソーで330円で売っています。
ポケットWi-fi
Ma Da Guest House には一応Wi-fiがありますが、遅いです。
できるのであれば会社にポケットWi-fiを準備してもらうことをおすすめします。
私も会社にレンタルのポケットWi-fiを差し入れておいてもらいました。
Web会議などもすると思いますので、つながらないと話になりません。
また、仕事以外の時間も動画を見たりすることがあると思いますので、あるのとないのとでは快適さが全然違います。
もし会社に頼めなかったり対応してくれない場合は日本でベトナムのツーリストSIMを購入していきましょう。
楽天などで「ベトナム SIMカード」などで検索すると1,000円台からベトナムで使えるSIMカードが出てきますので、期間と必要な容量に応じて購入しましょう。
このほかにも隔離生活にあったら便利なものをご紹介していますので参考にしてみてください。
ワンポイントアドバイス
トイレットペーパーを流さない
ベトナムではトイレットペーパーは流さないのが一般的です。
理由は下水管が細く、水圧が低いため、トイレットペーパーが詰まりやすいからです。
また、トイレットペーパーも流す用になっておらず、ごわごわとして水に溶けにくいです。
少しでも流したらダメかというとそういうわけではありませんが、日本と同じ感覚で流そうとするとトイレが詰まって水があふれてしまいますので注意が必要です。
使用済みのトイレットペーパーは備え付けのゴミ箱に捨てましょう。
シャワーの浴び方
シャワーカーテンがありませんので、何も考えずに浴びると隣にあるトイレもトイレの上に置いていたトイレットペーパーもびしょびしょに濡れてしまいます。
また、バスルームの床が広い範囲で濡れてしまい、不快度がアップします。
シャワーを上手に浴びるコツを2つご紹介します。
まず1つ目はシャワーを浴びるときは給湯器に背を向けて浴びてください。
そうすると後ろに飛び散る水はすべて壁が受け止めてくれます。
2つ目はこまめにシャワーを止めてください。
排水溝が小さいため、シャワーを出しっぱなしで頭や体を洗っていると、排水しきれずに床にどんどん水が広がっていきます。
こまめに止めることでスムーズに排水でき、床が水浸しになりにくくなります。
このたった2つの意識で全然変わりますので是非試してみてください。
濡れた床での転倒防止
ご紹介したように、バスルームの床はシャワーを浴びた後はどうしても濡れてしまいます。
床は溝が刻まれたタイルですが、素足だととても滑りやすいです。
また、居室の床はツルツルピカピカですので、飲み物の水滴やバスルームから持ち込んだ水で濡れていると知らずに歩いたら高い確率で滑って転んでしまします。
隔離中に転んで頭をかち割ったり骨折でもしたら大変です。
おすすめグッズでご紹介した滑りにくいサンダルを履くようにしてください。
水道の水は飲まない
これは皆さんなんとなくご存じだと思いますが、水道の水は飲まないでください。
理由はベトナムの水道設備は衛生状態が良くないからです。
設備が老朽化しているため雑菌が繁殖しやすく、上水道施設もあまり整っていません。
沸かして飲むのも避けてください。
雑菌は死滅しますが、トリハロメタンという発がん性物質が残ってしまうためです。
とは言え、歯磨きやうがい程度なら水道水でも大丈夫な人も多いと思います。
私も水道の水でうがいしましたがおなかを壊すことはなかったです。
胃腸が弱い方はうがいもミネラルウォーターでした方が無難です。
自分で洗った洗濯物の乾かし方
洗濯物を自分で手洗いする方もいらっしゃると思います。
その際に気を付けたいのが水の切り方です。
Tシャツでも下着でもなんでもそうですが、雑巾のようにギュッと絞ってもいいのですが、傷んでしまいます。
そこでおすすめなのが、バスタオルを使って水気を切る方法です。
まずバスタオルを広げてそこにある程度に水気を切った洗濯物を広げて置きます。
次にバスタオルを洗濯物ごとくるくると巻いていきます。
あとはバスタオルごと絞るだけです。
絞りにくい場合は脇や足に片方を端を挟んでもう片方を両手でひねっていきます。
そうすると衣類を傷めずに水気を切ることができます。
あとはハンガーなどに吊るして干すだけです。
これだけで適当に絞って干したときと比べても早く乾きますし、生乾きのにおいも発生しにくくなります。
やけど虫に注意!
通称「やけど虫」という虫にご注意ください。
体液に有毒物質を持っていて、触ってその有毒物質が肌に付着すると数時間後にまるでやけどしたかのように赤く腫れてヒリヒリし、水疱ができます。
見つけても直接触れずに、また、つぶさないように駆除してください。
身体にやけど虫が付いてしまった場合は払いのけたりせずに、息で飛ばしたり、水道で流したりして取り除きましょう。
ベッドに入るときなどは念のためにやけど虫がいないかどうか確かめてから入りましょう。
ちなみに私は7日間滞在して一度もやけど虫を見ませんでした。
優秀なハンターが複数いたからでしょうか・・・
ベトナム生活の強い味方「VIET JO(ベトジョー)」のやけど虫情報のページのリンクを張っておきますので、こちらも参考にしてください。
事前の差し入れ
Ma Da Guest Houseは外部から差し入れをすることが可能なようです。
私の会社では事前にポケットWi-fiや延長コード、デスクライト、希望の飲み物などを事前に部屋に搬入しておいてくれました。
もちろん施設側と事前に交渉して了解を得てのことです。
隔離生活が始まってからの差し入れが可能かどうかは定かではありませんが、それも含めて会社に確認をお願いしてみてもいいのではないでしょうか。
まとめ
ベトナムドンナイ省の入国者隔離施設Ma Da Guest Houseをご紹介しました。
緑に囲まれ、天井が高くて窓も大きいため、閉塞感は全く感じません。
そして比較的管理がゆるいため、全くピリピリした感じもしません。
食事は素朴ですが、シンプルで滋味深い感じがして好きでした。
以前ホーチミン市内の5つ星ホテルで隔離生活を14日間したことがありますが、私はMa Da Guest Houseの方が快適だと感じました。
もちろん設備や衛生面は気になるところがありましたが、自分ひとりで隔離生活するのであれば十分快適でした。
小さなお子様がいるご家族の場合は部屋の広さや衛生面や食事の選択肢などを考えるとおすすめはできません。
少しでも隔離生活を快適に過ごせるよう事前の準備をしっかりとしてベトナムにいらしてください。
それでは、ベトナムで会いましょう!
YouTubeでもMa Da Guest Houseの紹介をしていますのでこちらもご覧ください。